2018 2月27日〜28日 錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ 登攀 2日目、エピローグ

<1日目の夜>

楽しい楽しい夜のはじまり♪

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手前側の部屋は2畳ほどの縦長。


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洞窟内には氷柱が発達しており、ラッキングにはアイスフックが大活躍(笑)でした!
氷も雪も取り放題(あんまり綺麗じゃないけど)。テントじゃないからお湯こぼしても問題無し!


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はまり込んで天井を見つめてると、ここが垂直な壁の中だということを忘れて不思議な気持ちになる。
というかこれハーネスつけてる必要全くないし!ということで、このあとハーネスも脱いで完全リラックスムードになりました。


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消耗品の買い足しで最近週1くらいで行ってるカモババで見たことのないアルファ米を見つけたので、今回試食。
キムチビビンバも海鮮ビビンバも美味でした。
今まで食べたことあるアルファ米の中で一番美味しかった。具沢山だし。
韓国の商品みたいで、注水線(だよね?たぶん)がハングル。お値段490円とちょっと高級ですがグルメさんにはオススメですよー。


山の話に花咲かせ、食事も終わったところで最後のお湯作り。
静かに燃えるジェットボイルを見つめながら、FIXしに行った時見た壁の様子を思い返しつつ脳内オブザベーションする。
なんか登れそうな気がして来たな・・。楽しみ。早く登りたい!


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ちなみに左奥の部屋はこんな感じで3畳くらいある。こちらを寝室にしました。天井も高くて普通に立てる。広い分温まらず、夜はちょっと寒くて何度か起きた。


<2日目>
※ネタバレ注意。オンサイトが気になる方はお気をつけください※


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本日も快晴!


明るくなると同時にユマール開始しようということで、5時起床目標に。
結局寒くてそれより少し早く起きて煮炊きを開始した。
6時半ころ、Sくんのユマールから本日の登攀開始となった。


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あのベルグラに日が当たるとちょっとやだな・・と焦りながらフォロー。

フォローしながら6P目を見上げると、あれ、昨日見たときより威圧感が減っている。壁も寝てみえるし、フットホールドも見て取れた。
クラックはやはり所々ジャミングも使えそう。核心はベルグラへの乗り移りか・・?


S「いけそうですよ、これ、岩の部分は寝てるし、スタンスもありそうだし。なんとかなりますよ!」
ち「確かにね!おっしゃー楽しみになってきたー!」


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ギアを選定。スクリューは全部で12本あるけど、間引いて6本に。岩用ギアは全て持った。
よっしゃ、いくぜ!ミックスなんてまともにやったことないけど、これまでやって来たことがどれほど通用するか楽しみだ!

そしてさようなら・・・・ギンギンのピュアアイス!


ここは荷揚げすることとして、空身でクライミングスタートした。


出だしはクラックとフェイスにフッキング。フットホールドはフェイスに、研いだ前爪の先をひっかけ立ち込む。
このクラック、トライカムEVOがバチ極き。
適度にランナウトするものの、プアプロじゃないのでつっこめる。
凍土のつまったクラックにガンガン打ち込みかなとか思ってたけど、丁寧にホールドを削り出してフッキングのほうが効率がいい。
ハングにつっかえながら、ワイド登りも駆使してずりずり。
ときにはハング下の薄い氷に「たのむよ!」と声かけしながら全体重をかけ乗り込み。
高い足へのハイステップの繰り返しとなった。


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少し行くと、さいご1cmくらいが入りきってないハンガーボルトが見えた。

ボルトあるんだ!!(このピッチは記録あんまり読んでない)

もちろんボルトにもクリップし、更にカムも極めて、足が悪くなるセクションへ。もう、しびれてたまらない。
でも技術もメンタルも上手くコントロールできている。
細かすぎる足を選ぶと崩壊する。前爪ピンポイントのスメアも使い、2本目のボルトへ。ついにベルグラが目前となった!


ちょっとよれてくる。ここでクラックにハンドジャム。ばちぎき!ふー、休める。
悪い体制で上を見上げると、ハングから恐ろしげな氷の槍がいくつも飛び出していた。
体勢をあげるまえに、枝払い。だいぶ綺麗になりスペースを確保できたところで、つららの根元まで乗り上がった。


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ここからベルグラへの乗り移りが一番緊張した。
ついに凹角をはなれ、垂直の空間へ飛び出していかなければならない。
出だしのベルグラは3mくらい。つららの根元に短いスクリューを2本固めどりしたら、氷が厚くなる数メートル先まではプロテクションはとれない。かつ、絶対落ちられない。緊張した。

背後のつららは、ちょっとくらい体重を預けても大丈夫そう。
背中を使って体勢を安定させながら、クラックにフッキングした右アックスをきかせつつありったけ左アックスをのばし、やさしく「カツカツ」とベルグラを削ってホールドを作った。そこにフッキングしテスティングする。氷は薄いけど、強度は十分ありそう。
ゆっくりと、重心を左手の方へ移動させて行く。少しずつバランスが悪くなり、体幹に力がはいる。振られたら落ちるので背中も使ってゆっくり動く。
重心が完全に左に移った!そこからはもう、一気にいくしかなかった。

安定できるところまで、氷に余計な負担をかけないようやさしく打ち込みながら駆け上がった。
数メートルで氷は安心できる厚さに。やった!
傾斜は寝た。もう、慎重に登れば落ちることはないはず。でもまだしばらく氷は続いているようだ。

しかし、次のピッチはスクリュービレイだ。
残弾が少ない。スクリュー2本を残そうとしたら、最後のマントルはランナウトしてしまった。
しかもなぜか、落ち口で氷が消え、スカスカの雪面になってしまう。
緊張しながら、しっかりアイゼンの前爪を打ち込んでマントル。締まりの悪い雪面に這い上がった。

やった!


最終ピッチの氷壁が目前となった。なるべくフォールラインをさけて右のほうでビレイ点を設置。
解除コールをした。
やったー!嬉しい!
こんなに素晴らしいピッチを登れたぞ!ひゃっほー!


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槍穂連峰と自撮りを試みたけどちゃんと入りきってない。


去年までは怖さのほうが勝っていたドライ。今年はまだ山も数回目だけど、全てをコントロールできている中でクライミング出来た。
フッキングもなんとなく、きいてそうなのときいてなさそうなのがわかるようになってきた。
パンプもあまりしないし、してきても回復できる。
これはこの冬シーズン、フリーをある程度頑張ったからだ。持久力はかなりついたし、ロングルートのなかで回復する術も身につけた。アイゼンでは足置きがフラットソールと全然違うけど、股関節を上手く使えば傾斜は殺せる。
ワイド登りも、ジャミングも、今までやってきたフリークライミングが色々と活かせた。
やっぱりクライミングは最高に楽しい。
終了点ではアドレナリンが垂れ流し状態だった。


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フォローのSくんもサクサクと上がって来た。荷物担いでるのに流石です。こうしてみると立ってるなあ。谷底まで見通せてしまう高度感が素晴らしい。


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ついにあと1Pとなった!目の前の氷壁はかなり幅があるが、左半分は見事なベルグラだし、登れるラインは限られている。Sくんがリード開始。しかしルーファイに難儀している。私はといえば、ビレイを開始すると猛烈な眠気が襲って来て身体を起こしているのも辛い感じになった。なんだこれ・・。落氷を避ける姿勢をとっているふりをしつつ、ザックに突っ伏して半分寝る。
氷壁を10mくらい登ったところで、「上まで抜けられないかも」とSくん。
途中でピッチを切ることになった。



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いきなりチャンスが回って来た、"8P目"。フォローしてみると、なかなかにこの氷、立っている。
下から見て思っていた感じよりもだいぶ立っている。完全にバーチカル。な上にラインも複雑で、弱点らしい弱点もない。
まだ1Pしかまともに登って居ないというのに、全身がだるく、荷物が重く感じた。

見上げてラインを確認。左はぶったちベルグラ。右も複雑な形状をしている。いくとすれば完全に垂直な、直上ライン。小さく凹状になっているので足を広げれば少しは傾斜を殺せるか・・。

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リード開始すると、やはり荷物が重く、後ろにひかれる感じがした。思った以上によれているようだ。アドレナリン出すぎて反動がきているか。腕がパンプする。アックステンションが何度もよぎった。でも、まだいける。このパンプはコントロールできる。
お正月のタイでも、ガバのどっかぶりは鍛えたし、こういう時は過呼吸気味にして血中酸素濃度をあげれば回復してくることは経験済みだ。この冬はフリーを頑張った。それが去年の冬シーズンとは明らかに違う点だった。
せっかく6P目をオンサイトできたのに、ここでアックステンションしたら悲しい。
ランナウトした状態でどうにもならなくなっちゃうようなことにはたぶんならない。
核心を超えてからも、入念にレストしながら、氷への打ち込みもブレブレになりつつ何とかトップアウトした。
やっぱりマントルはすかすかの雪面。
最後は締まらない雪をラッセルして太い灌木に達した。

はあーーー疲れた!


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12:51、登攀終了。2人ともピークに達したときには13時半近くなっていた。
継続なんて言ってたけど、たった3Pにだいぶ時間がかかったなあ。もう、2ルンゼでお腹いっぱいだよ。
じゃ、だめだね。
まだまだ修行が必要。次はもっと登攀スピードを上げられるようにしないとね。
さて、暗くなるまであと数時間。最後までがんばろう!


しばし話し合い。明日には天候が荒れるし、今日中の下山は変化なし。とすると、これからまた何かを登る時間はないだろう。でも、2ルンゼの懸垂も7ピッチもあるならそれなりに時間がかかる。6P目ビレイ点みたいなおそろしげな灌木で懸垂するのも嫌だし、北東壁右ルンゼも見に行きたい。方角を確認し、とりあえず北東壁のほうへ行ってみようということになった。
もしラッセルに時間がかかるようなら、15時半までには2ルンゼの懸垂を開始できるよう戻って来ることにすればいい。


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雪は思いの外腐っていなかった。順調にSくんがすすみ、あとに続く。北東壁上部と思われるオープンバーンに出た。geographicaで位置を確認しつつ、たぶんここからまっすぐ懸垂すればグラスホッパーかなとあたりをつけた。

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掘り出したハイマツの根元で懸垂。木はたくさんはえてる。


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向かって右手にみえているのがP4かな。


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予想は的中。グラスホッパーの終了点の残置スリングに、60mいっぱいで辿り着いた。ぎりぎりぴったり!計算通りだね!(嘘)
ここからたった3ピッチで地上だ。気が楽になる。
けど気を緩めず、行動食とお湯をとって体力回復につとめる。


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グラスホッパーは見事に結氷していた。左ルンゼも立派だった。
しばらく人が入っていない雰囲気があったけど、残置アバラコフはちゃんとあった。
こうして考えると、2ルンゼと比べて、3ルンゼってものすごく短いんだなあ。
そして2ルンゼの下降は、恐ろしげな残置で7ピッチもかけておりるより、北東壁から降りるのが正解ムーブじゃない?(笑)


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右ルンゼも見事だったけど、2P目の出だしがどうかな?といった感じだった。初登、第二登の年(2007年)と比べても形が違う。
毎年微妙に形が違うらしい。こちらもいつか登りたいな。


<エピローグ>

今冬4回目の山行にして、やっと「完登」できました(敗退つづきだったもので)。
とても充実した山行となりました。
反省点は、
・登攀スピードの遅さ
・雪の処理が苦手
・フォロー力の低さ(馬力がたりない)
・山慣れが足りない(経験値!)

一緒に登ってくれたパートナーに感謝!そして留守担当の人生のパートナーにも感謝です。
まだまだがんばります(^ω^)ノ♪

2018 2月27日〜28日 錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ 登攀 プロローグ、1日目

<プロローグ>

「壁の中でビバークしましょ♡」(by Sくん)


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2月中旬から、クライマーなら誰もが憧れる"Climbing Bum"(まだあと1ヶ月は"見習い")生活を満喫している。
5〜6月にはアラスカ遠征を控えているし、調子にのって平日も山、休日も山って予定を詰め込んだら、家にいる日は洗濯と次の山行のパッキングに終始し、がんばって時間作ってジム1、2時間、で、また長距離ドライブに出発!
みたいな息つく暇もない感じになってしまった。。(見習い期間中にしっかりスケジューリングも学ばないとね)


2月最終週も平日パートナーSくんと三日間くらいでどこかに行こうと計画していた。
だが、直前になって、最終日3月1日は天気が荒れることがわかり、二日の日程で錫杖にしようということになった。


先々週にハイパーな方と入山したとき、1ルンゼも2ルンゼもとても状態が良さそうに見えたので、もしかして北東壁右ルンゼもいい感じなんじゃ・・と淡い期待がありつつ、Sくんは「2ルンゼに行きたい!」と言う。
そこへきて、上記発言。
しかも「2ルンゼって、ビバーク前提で登られてるみたいじゃないですか」なんてシレっとのたまう。

え?そうだったっけ?

そんなのよく知ってる青鬼の変態二人と、あともう一人くらいしか聞いたことないけど・・って思ったら、出て来た記録はやっぱりその人たちくらいなものだった。
でも確かに某変態さんたち(参考記事)いうところの"ホテル錫杖"には泊まってみたい気がする。
それに先々週、ハイパープロフェッショナルな方も何やらおっしゃってたな・・

「ハンターいくなら継続の練習しといたほうがいいっすよちっぺさん!」 (by hyper TK)

右ルンゼがダメでも、北東壁のどれかに継続するってプランは面白そうだし、ビバーク装備を担いで登る練習はしたい。

ということで、2日の行程で"2ルンゼ〜北東壁(右ルンゼ)"って計画をいちおう組んだ。


だが、平日パートナーのSくんも私とほぼ同じような生活をしているみたいで、25日の日曜日もかなり遅くに下山したようだ。
それでまた翌日夜発では辛かろうと、27日朝に東京を出発することにした。

プランはこう。

27日:東京発→入山→2ルンゼ登攀→ホテル2ルンゼ(仮名)チェックイン→5P目FIX→泊
28日:2ルンゼ後半部登攀→北東壁へ→右ルンゼもしくは左ルンゼもしくはグラスホッパー→下山→東京

的な。


うん、なんだかワクワクしてきたぞ!


久しぶりに本気軽量化を考える、この楽しい時間。


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ビバーク装備は、共同装備として
1〜2人用ツエルト×1、小さいジェットボイル×1、ガス缶小×2、ライター1。
ほかに各自、
マットとシュラフ。私はサーマレストのウレタンマット(ほぼ新品)を背面長に切って持参し、シュラカバとドイターの夏用シュラフ。(+ビレイジャケット、ミトン)
Sくんはパタのエンカプシルダウン!+半シュラ!というセレブリティな組み合わせにエアマット。

食事は、
アルファ米に粉スープとブレンディ。+行動食多め(アーモンドとカキピーとレーズンのMIXに、えいようかん3本、バーなど)。

湿雪のラッセルも考慮して、グローブは本気登攀用とオーバー手、替えのクライミング用グローブの3つを持参した。


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登攀具は、
約60mダブルロープ×2、アルパインヌンチャク×10、キャメロットC4を#4まで1セット(2〜4はUL)、DMMナッツ1セット、大きいトライカム適当に間引いていくつか、EVO 1セット(核心Pで大活躍)、ハーケン3枚(使わず)、イボイボ2本(使わず)、ミニアイスフック×1(ホテル2ルンゼで大活躍)、スクリュー12本(LSL17cm×4、LSL13cm×4、LS10cm×2、BD17cm×2)、捨て縄3m×1、長スリ各自、ビレイ具等各自、いちおうアバラコフフック(兼スクリュー通し)と小さなヤスリ(右ルンゼを見据え)・・。


そして、そして、カネコロンのためにギンギンに研いだままのノミックとスティンガー・・!(右ルンゼに着く頃にはきっとまんまる☆)


これまで2年弱くらい使って来て常々「小さいな」と思っていたascendionist 35Lでしたが、ハーネスはけば冬の1ビバークくらいは十分パッキングできることが今回判明しました。なにごともやってみないとわからないね。


ぎりぎりになっちゃったけど、ホテル2ルンゼは無事予約とれました!(?)
2月27日、始発で八王子駅まで来てくれたSくんをpick upして、いざ錫杖へ!


<1日目>

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なんかめっちゃいい天気!すぎ!


駐車場には9時半ころ到着。予定より早く出発できそうだ。
ストックわかんで行きましょうと話していたが、Sくんわかん忘れ。
でも駐車場でちょうど下山して来た知り合いのクライマーに遭遇し、トレースはバッチリという情報を得る。やったね!


10時歩き始め。
アプローチはこの時間ですでに腐り雪。2ルンゼは若干北東向きだから大丈夫かな・・

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ちょこんとした槍が萌きゅん。


トレースばっちりにつき、11時頃にはクリヤの岩屋でいらない装備をデポ、11時半ころ取り付きに到着し、12時には登攀準備完了できた。


「攀船記でゆずっていただいたので・・」



と、奥ゆかしいSくんは、核心の6P目のリードを譲ってくれるという。
遠慮なく登らせてもらうことにし、奇数ピッチ担当となったSくんリードで登攀開始した。


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1P目

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1P目抜け口

1P目は左の凹角にラインをとって氷を登る。氷の発達もたぶん良さそうだし草付きも凍ってる。雪田にあがったところの潅木でビレイ。
そのまま2P目の雪田をあるいて3P目と思しき氷化した凹角の直下に至る。
フォールラインに入りたくないけど、プロテクションをとれるところが見当たらない。
仕方なく、懸垂用なのかな?と思われる汚いスリングをちょっとどけて、ピナクルとスクリューでビレイ点とし、Sくんを迎えた。


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2P目雪田。あまり日が当たらないのでそこまで腐ってはいない。


つづく3P目、順調に氷瀑を登っていくSくん。姿が見えなくなってからもしばらくロープが伸びて行き、ほどなくして3m分くらい短い青ロープのほうがいっぱいとなった。


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ビレイ解除し、「いっぱーい」(フォー!コールは使用せず)と言いながら数メートル登るとロープの動きが止まった。
すぐに「どうぞー」のコール。
フォローを開始した。

快適に氷を登っていると、10mくらい登ったところで右壁に割と立派なラペルステーションをみつける。
あまり気にせずフォローをつづけ、ふっと「見覚えのある」ような景色の脇を通過した。

数メートル登ったところで、「ん?」と思い見下ろすと、あれ。右下方に見たことのある洞窟状がある。
誰かさん(参考記事)がベルグラへの乗り移りに苦労してプアプロガチフォールしてたあの場面にものすごく似てる・・・

気がするけど、きのせいだよね!
(4P目は偶数ピッチ担当者にとっては初日一番の核心部かなと思って楽しみにしてたし!)


きのせいだよね!
(だってもしそうなら3P目が短すぎるし!)


って思いながら登り続けたら、こんもりと積もった雪塊の向こうで隠れるようにビレイしてるSくんの姿が見えて来た。


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ちっぺ「Sくん、もしかして・・・・・もしかした?」

S「・・・・・・はい、もしかしました・・・すいません・・・」

ち「あ、いや、全然いいんだけど・・。あれ、やっぱり?(笑)」


なんと楽しげに思われた4P目というものがなくなってしまっていた!氷はりすぎ?
狐につままれた気分で、16時頃には無事ホテルにチェックインとなった。


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ホテルの部屋を見て開口一番、

ち「うわっ!なにこれスゴイ!✨」

思わず歓喜の声をあげた。きっとこれを見たら誰もがそうするだろう。


2畳くらいの部屋が二部屋もあり、ゆうゆう立って過ごせるほど天井も高い。
なんなんだこの空間は!!
これは泊まらなきゃ損!ていうか、むしろ1泊じゃもったいない!!

感動さめやらぬ中、荷物を預けて、

ち「えーっと、じゃあ、FIX行っちゃっていい?」
S「もちろんです!」

と、オーダーが逆転したけど私が5P目を行くことになった。
明日のオブザベもできるしちょうどいいか。

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空身で快適なIV級くらいの氷を登って行き、最後は岩が露出したいやらしい腐り雪地帯を草つきも使って登って終了。
はじめ、6P目のラインがわからなくてどっちに行こうか?と迷ったほど、6P目は岩岩していた。
思っていたのと全然ちがう・・

すでに枯れている、前腕の半分くらいの太さしかない灌木の根元に汚いスリングが巻かれている。

なにこれ。これで懸垂とかしたわけ?(笑)

クラックに#4と#.75を極め、その"(笑)"な木も使ってビレイ点とした。

ふたたびよくよく見上げると、やっとラインが見えて来た。


なるほど・・・
クラックを使って登って行って、最後はあの恐ろしげなつららの下から恐ろしげなベルグラに乗り移って、そしてハング越えするのね・・・!


なにこれやばい!登れんの?すげーすげー!


興奮しながらFIXロープを設置し、ホテルに戻った。


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部屋につくと、Sくんによって荷物が整理され、壁ビバークおきまりのFIXも張り巡らされ、非常に快適な空間が作り上げられていた!

うわー泊まれるの楽しみだー!

テンション高め、かつ万事予定通りに初日を終了した。

2日目の記録につづく!

攀船記に初トライ!

2018年も早いものでもう2月!
1月は城ヶ崎でクラック、2月に入ってからは数回スキーに行きましたが、2月も後半になり、やっと一足遅い冬山シーズンイン、ダブルアックスを握りはじめました。

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ラッセルで岩屋から前衛壁基部まで2時間もかかった模様。体力つけます・・・!


先週末は錫杖岳前衛壁で今シーズン初Winter Climbing。
土曜日は大雪で入山のみにて停滞。日曜日は大量に積もったぱっふぱふの新雪を内心「今日はスキーだったな・・」と思いながら楽しくラッセルしながら、パートナーが目をつけていた壁にトライしました。

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パートナーは1P目でかなりシブいミックスをオンサイト攻略!私は傾斜の強い壁にべったりはりついた雪と格闘。ルーファイもプロテクションも悩ましくてとてもいい経験になりました。


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雪がすごくて地形も不明瞭。主に私のリードで時間がかかってしまいタイムアップに。。


時間切れで途中敗退しましたが、ミックスあり雪稜ありの内容のつまったクライミングが出来ました。パートナー(もといハイパーメディアクリエイター)ありがとう。


そして数日レストののちシーズン2発目は、貴重な平日パートナーSくんと憧れの攀船記へ!


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国道から荒船山艫岩遠望。ここからだと昇天のルンゼもよく見える。


今シーズンは1月の終わりに今シーズン初登が出ている攀船記。
土曜日に昇天の氷柱へ行ったSくんが攀船記の写真を送ってくれたのですが、心なしか氷が薄くなっている・・
でも前々から計画していたし、とりあえず行ってみようということで前夜発。
夜明けとともに登攀開始するため、5時過ぎにはアプローチ開始しました。

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明るくなって壁を見上げると・・氷はまっしろ。スカスカで岩から浮いてる。あれー?めっちゃ痩せた?
しかもなんか二筋になっている。
うーん。でもせっかくなので登ってみよう!


さて。
「どうします?」「Sくん・・行ってもいいよ?」「いやいや、ちっぺさんこそどうぞ」
こんな感じで、核心のM6- とM6+がどっちも出てくる奇数ピッチのリードを譲り合う。
いつもみたいに「ありがとう!じゃあ行かせてもらうね!」と威勢のいい発言ができない(笑)。

結局「かみさまのいうとおり」ということで、いつも通りじゃんけんに。

「あ、勝っちゃった」「あ。負けちゃった・・・」

結果、じゃんけんに勝ったSくんが奇数ピッチのリード担当となりました。
正直、負けたら負けたでちょっと残念な感じがしたけど、それでも「やっぱり行かせて!」とは言い出せないびびりでした^^;


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普段からとても寒い荒船山艫岩。この日も朝は風が出て寒かった。でもパートナーのパタゴニア・エンカプシルダウンビレイパーカー(もとい"こたつ")の威力はすごかった。



1P目は草付きながら、立っていてバランシー。しかし草付き、全然凍ってない。打ち込むと「ばふっ」と音をたてて土が舞い、草と岩が剥がれ、アックスがすっぽ抜けます。氷の痩せ方もそうだけど、なんだかかなり乾燥している気がしました。気温は十分低いのに、凍るための水分がない感じ。落石ひゅんひゅん落ちてきましたが、エンカプシルダウンの威力がすごすぎて、こぶし大の石でも痛くありませんでした(笑)。

昇天の氷柱も、最終ピッチはほとんど氷がなかったんだとか。
今期は冷え込みが厳しく、標高の低い場所のアイスがかなり発達している印象ですが、気象条件だけでなくその土地によっても様々なのですね。氷は面白いです。


パートナーは慎重に登り進み、しっかり1P目を完登。
フォロー中に指が凍り、ビレイ点についたら来ました、アレ。
Willさま曰くの"screaming barfies"のすごいやつがきました。
しばし悶絶してから、2P目へ。

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2P目はバンドをトラバースしてちょっと岩登りし、そこから草やベルグラのついたスラブをクライムダウン。
ついに第一核心の3P目が見えましたよ!


私のカメラが修理中でパートナーの写真が1枚もないですが・・


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パートナーは強強さん。あれこれ言ってましたが、慎重に1手1手進めて行き、危なげなく1撃されました。
途中アックス2本とも肩にかけてグローブで何かを保持ってたけどね・・一体なにをもってたんだ!


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結構立った壁でフッキングトラバース、からの、フッキングたちこみフッキングたちこみ。
ゲレンデ的とはいえ、山の壁でマルチで、こんなに楽しいクライミングができるなんて!
もう何度も登られているからか、ある程度フックできるホールドはありました。絶賛崩壊し続けていますが。
スタンスもガリガリされていて、ムーヴは比較的読みやすかったですがムーヴ中にそれが欠けたりもしてました。
きっとあまり登られていなかった頃と比べれば簡単になっているのでしょう。


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最終ピンのあたりが一番悪くて何度か足や手が抜けたりしましたが、なんとかフォローもノーテンにて抜けられました。
あーーたのしかった!
まあボルトだからこそ楽しめるんだよね・・。これがプアプロだったら正直やりたくない^^;


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3P目終了点につき、あらためて4P目を見上げると、氷はやっぱりスカスカ。
岩から浮いてるし、やはり乾燥でやせちゃったような見た目になってます。もともと1つだった氷柱が痩せて二筋になってしまった様子です。叩いたらとれそうだし、そもそもビレイ点は作れないので、登るとしたら5P目まで連結する必要があるでしょう。
それ以前にやはり危険なので、私たちの力量ではキツいと判断。
かなーり後ろ髪を引かれながら昼過ぎに下降開始しました。
3P目終了点の汚いスリングを1つ廃棄し、新しいロープスリングに替えときました。また来るもんね!


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下山中、壁が見えるところでまた振り返る。
あー、上のハング越えもやりたかったなあ!


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駐車場で"きよしや"に電話したら、ちょうどお店のお昼休みに入ってしまったとのこと(;;)
道の駅しもにたで下仁田ネギと神津牧場バターを買って帰りました。
リベンジするぜっ!(攀船記もきよしやも)

シーズン終わりのまとめ。

今更ですが、GWは剱尾根R4に行ってました。

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今年のGW、R4は氷結が甘かったみたいですね。

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登攀を諦めたパーティもいくつかあったようだと聞きました。

今シーズン、アイス上達がひとつの目標でした。昨年11月終わりから八ヶ岳通いをはじめ、年末年始はカナディアンロッキーで登り込み、帰国後も象の鼻やブラベや、日光月山雄滝などの、少なくとも今までの自分だったらリードできなかったようなところでも自信を持って登れる様になり、3月4月は少しだけ山にも入って、迎えたこのGWでした。

夜が開けてやっとR4が「これだ」と確認出来た時、確かにずいぶん黒いなとは思ったものの、ラインをみる"心の眼"(なんかやばそうでも行ってみると割とだいじょぶっていうアレ)が養われていたからか「うん、いけるっしょ」と思えたのは良かったです。

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最後の雪壁もまっさらで、腐り放題腐った雪を一歩一歩ラッセルして上がりました。誰かのあとをついて登ってる感は幸福な事になく、登攀自体はとても楽しめました。

"継続"と表現していいのか、ベースを張らず全装備を持っての一筆書き24時間タイムトライアルを計画していただけに、R4のみとなってしまった今回の結果はやはり残念でした。

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パートナーとは下山後いろいろ話し合いました。山登りに対する価値観の違い、姿勢の違いが根底にあって、それは以前からあったものですが、今までは上手い具合に作用し合って上向きのベクトルを生み出していたその"違い"が、今回は足を引っ張る結果になった、とそんな気がしています。


ペコマはこの登山を、安全に登って的確な判断をし、無事降りてきたから「成功」だと考えており、対して私はやれるべきことを全てやったとは言えないから「失敗」だったと考えています。
やれるべきことを全部やったら事故ったかも知れないけど、やれるべきことを全部やらない登山はやる価値がない。
そこを、どこに線を引いてどう感じるか、もうこれは価値観という便利な言葉で表現するしかないでしょう。

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ひとりひとりの実力や経験値はいうまでもなく、意志や目標の統一という要素もパーティとしての強さを決定づける上で非常に重要です。今回はそれを痛感しました。と同時に、私はもっと上に行ける気がしているので、まだまだ楽しい登山を追求して行きたいと改めて思いました。


天才的な発想力もなければ、飛躍的な成長もなかなかないですが、こうやって滑稽にもがきながら、ワイドクラックよろしくずりずり這い上がって行くのが私の山のようです。ワイドがそんなに好きな訳ではないですが。でも少しずつでも良いから高度を上げて、いつまでも上へ上へと登って行きたい。そんな風に思います。



さて、GWあけたらフリーに専念しよう!と決めていました。
随分と重くなった身体を、歩くだけでなく岩も登れる身体に、アックスだけでなくスローパーや外傾カチも握れる身体に目下改造中です。
夏には海外での避暑クライミングも計画中。
テンション鰻は続きます!

2017/4/15〜16 鹿島槍ヶ岳 東尾根

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大学山岳同好会の後輩Tさん(通称"あきちゃん")と、部のコーチで尾根の向こうにもたびたび登場しているI先生こと"いとうちゃん"の2名を連れ、鹿島槍東尾根に行ってきました。


2週後に計画していた本番登山のプレ山行として、雪稜歩き中心で、ある程度長い行程のルートを選んだ結果、この人気ルートになりました。

私とペコマにとっても、白馬主稜などと並んで行ってみたかったルート、けどなんか二人で行くにはタイミング逃した感のあるルートだったのですが、みんなでわいわい楽しく登るスタイルかつ母校山岳同好会の活動に貢献出来るという付加価値もつくので2倍楽しい計画です。


金夜入りしてゲート手前で宴会後、日付が変わって1時前には就寝。翌朝4時起床して5時頃行動開始しました。
私たちの前に2パーティほど行っている雰囲気で、更に後続も居そうな感じでした。やっぱり大人気ルートですね!


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林道を歩き始めて早々、雪があらわれる。そしてカモシカがひょっこり顔を出しました。付かず離れず、こちらの様子を伺う愛らしい姿に夢中になっていたら


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東尾根の取り付きを通り過ぎました。林道がぐねぐね屈曲した直後のこの看板が目印。まあ、どこから登ってもいいのでしょうけれど。
よく見ると古びた赤布がありましたが、踏み跡は不明瞭で適当に登って行く感じです。ちなみに下山時通り過ぎたときには新品ぴかぴかのピンクテープが2つも追加されていて非常に分かり易くなっていましたよ。


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4月は来るGWに向け、毎週がっつり歩き系山行の予定です。最近またイノクマさんの有料サービスを利用しはじめました。今日の予報は昼前から雨か雪、そして雷。でも午前中は穏やかでいい天気でした。ブナ林の急登をひと登りすると、30分くらい前に先行したパーティに追いつきました。ラッセルを交代して先を行きます。


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いとうちゃんは面白い人です。大学時代は彼の講義を受けていましたが、何だか変わった感じの怖そうな人だなって思っていました。でも本当は違います。愉快な山屋さんです。古い山屋さんなので、登攀技術ははじめ見ていてヒヤヒヤすることも多かったですが、最近はとても安定感のある山屋さんになってきています。山男の歌とか色々知っていて、酔うと歌い始めます。


って、偉そうに書いてるけど、親しみを込めて書いています。入間のBase Campにも足繁く通ってフリーも頑張っています。ジムで「せいっ!」ていう珍しいかけ声が聞こえたら、たぶんいとうちゃんです。「ガンバ!」って言ってあげて下さい。


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と、順調に雪山ハイクを楽しんでいたら、予報通り雲行きが怪しくなって来てほどなくして雪も降り始めました。標高2000mちょいだけど、雨じゃなくてよかった・・!しかし風雪はどんどん強くなり、そして一ノ沢の頭を越える頃にはガスも濃くなりました。更に恐れていたことが・・・。雷さまのおでましです!!



しかしまさにナイフリッジの通過中、とりあえず進むしかありません。雷光と雷鳴の間隔がほとんど同時になってきて、低姿勢でじりじり進んでいたその時です。ちょうど二ノ沢の頭にたどり着いたころ、静電気のような気配を感じました。その直後にいとうちゃんのピッケルがぶーんとうなり、腕に電気を感じたようです。「くるぞ!」といとうちゃんが叫ぶやいなや、私の右足の親指の先から踵へと、すさまじい電撃が走りました。思わず短い悲鳴をあげてしまいます。


ペコマ「雷やばいね〜」
いとうちゃん「おちた、おちた」
あきちゃん「!」
ペコマ「いまどっか落ちましたね」
いとうちゃん「いや、いまここに落ちたの。ここに落ちた」
ちっぺ「私の右足流れた!」
いとうちゃん「ピッケルに感じたよ」
ペコマ「なにそれ、やば!!」


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とりあえず踵上げて三角形つくる、バランス崩してコケたら最悪な避雷姿勢、通称"雷しゃがみ"とかやってみるものの、さっさとどっかに避難もしたい。だってここはよりによって頭。だだっ広い尾根の真ん中です。

だましだましコルへ移動し、高いダケカンバに付かず離れずの位置に簡易雪洞を掘って雷宿り。予報では昼過ぎから天気回復とのことだったので、ここでしばし停滞して嵐が過ぎ去るのを待ち、天気回復してから行動再開、予定通り本日の目的地である第一岩峰の基部を目指す作戦としました。

この間に追い抜いた先行パーティが通り過ぎます。聞くと、彼らも第一岩峰基部に張る予定とのこと。この時点では2張もはるスペースがあるのか謎だったので、どうしようかと相談しながらうとうとします。

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しかし12時を回っても風雪は強まるばかり。後続パーティも合流し、彼らはここで幕営準備をはじめました。とりあえず雷雲は過ぎ去ったようなので、私たちは行動再開。先へ進むものの、ガスが濃くて尾根の端がどこなのか、傾斜がどのくらいなのかも判別不能。結局二ノ沢の頭の先にある小ピークを越えたコルで行動終了としました。


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狭い稜線上に雪を掘り下げてテント設営。快適なトイレも作りました。テントに潜り込むと、それだけであったかい!装備は何もかもびしょ濡れです。早速水作り&大乾かし大会。お湯アイロン大活躍!結局天気は悪化するばかりでした。停滞して正解!


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16時を過ぎたころ、わさわさと夕飯のお披露目がはじまります。そして各人持ち寄ったロービー、豚角煮、生姜焼き、ミートボールetc...。α米に一品プラスですごく美味しくなるのですが、これはもう豪華過ぎ!「軽量化」とか言ってたのにみんなやるな!(笑)

スナック菓子やつまみも豊富でたらふく食べました。


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夕方になると、やっと風雪が弱まって来てトイレに行く気力も沸いてきました。テントを出ると、なんと西に青空が見えている!雪庇の向こう、北の空には積雲の上に笠雲のような変わった雲が出ていました。


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爺ヶ岳方面。やっと嵐は過ぎ去ったようです。明日が楽しみだ!


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この日は18時には就寝して、翌朝2時半起床。乾燥パスタの朝食を済ませ、テント撤収して4時前に行動開始です。暗い中を歩いて行ったら、途中岩が出ているところでわざわざ強点をついちゃったりしてタイムロス。すっかり陽が昇りきった6時頃、第一岩峰に到着しました。しかし第一岩峰基部に幕営したはずの先行パーティ4名は今まさに取り付いたところで、ラインも被りそうだししばし順番待ち。後続のペアも追いついて来て渋滞発生です。


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第一岩峰上からフォローのあきちゃん、いとうちゃんを見下ろす。最高の天気、既にすばらしいパノラマが広がっています。今回は60mダブルロープ1本で、私かペコマがリードをしてロープ固定し、プルージックでFIXロープを登ってもらうスタイルにしました。


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第二岩峰では更にここまでノーロープできたっぽい5名パーティも合流しました。先頭で取り付いたのは、第一岩峰で合流したペア。2番手が4名パーティ、私たちは3番手です。最後に核心部があり、みんなここで苦労してました。お助け残置スリングがあるのでエイドもできます。


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ここを越えたらあとはひたすら雪稜登りと、雪壁トラバース。すでに雪が腐って来てますが滑ったら超気持ち良さそうなザラメです。北峰を素通りし、もうひとのぼり。さあ、山頂は後少しだ!


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あきちゃんは在学中、一番頑張っていた部員です。今はもうOGですが、看護師の仕事をしながら頑張って山を続けています。大学時代から一人で山歩きをはじめているのでキャリアも長く、少しずつステップアップしながら、一昨年の夏には彼女たっての希望で一緒に剣岳源次郎尾根も行きました。今回のプレ山行も、彼女が行きたいルートがあり、私たちが少なからずお手伝いをさせてもらっている感じ。メンタルも強くて弱音は一切吐きません。私たちとは根本から人間性が違う感じです。


ついに登頂!お疲れ様でした〜!!


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雪が安定していそうなら北俣本谷をさっさか降りたいところでしたが、昨日ある程度の降雪があったし今朝は激しい日射で午前中から雪が腐っているような状況。登っている最中も、そこかしこの沢筋で小規模な点発生がみられました。大人しく赤岩尾根を降りる事にして稜線を南下します。


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赤岩尾根にとりつくトラバースがやや緊張しましたが、それ以外はとくに悪い所はありませんでした。西沢の雪が比較的安定していそうだったので、早々に尾根を外れて大斜面を下降!尻セードの人生最長記録を更新したと思います。それはそれで楽しかったけど、シュプールを見るとちょっと焼きもちやいちゃったのは内緒です。

なんだかんだでゲート着は17時半。13時間半を越える行動時間となりました。おつかれさまでした〜!



さて、GWはペコマと剱に行く予定です。つぎの週末はその偵察。そして再来週もたぶんこの4人でどこか山に行くと思います。
雪稜は岩とは違った難しさがあり、私たちの弱点でもある気がします。
コンテかフリーソロでさっさか進むのは得意ですが、雪しかない斜面でしっかりした確保をした経験はきっと年数の割にかなり少ないです。
こういう機会に、基本的なアイゼンワークなども含め、もっと洗練できたらと思っています。
岩シーズンINまで、最後の雪山をがっつり楽しみますよ!

プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。

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