白く気高い3000mの稜線へ

2月後半は長いおやすみをもらって、ペコマ企画で南アルプス南部の縦走へ。


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雄大な赤石岳。


高校時代から本格的に山をはじめ明大山岳部で鍛え上げられた経験豊富なリヒトくん(青鬼メンバー)をはじめてパーティに加えて3人での登山!
彼とは彼が大学1年生の時からの知り合いだが、一緒に登るのはこれがはじめてだ。


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快晴の荒川岳山頂にて。


light&fastを主戦略として登攀系登山へと足早にステップアップしていった私たちは、雪稜歩きや冬期の縦走の経験が極端に少ない。重荷をかついで歩くことも今となっては余りない。
私も、重荷の歩荷や周りの人より早く歩く事だけに命をかけていた学生時代と比べると、本当に体力が落ちてしまった。


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千枚岳と富士山。


今年は雪不足暖冬と嘆かれているが、南アルプスの3000mの稜線はどんな世界だろう?
6泊かけて荒川岳、赤石岳、聖岳、上河内岳、光岳と縦走していく計画で、2/18に入山した。


入山2日目までは好天で順調に荒川岳に登頂。
しかし入山3日目に予報通り接近する強力な低気圧につかまった。


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クラストした斜面のトラバース。



その日の朝、赤石岳へ向け一時前進するも、荒川中岳を越えた辺りから強い南風に阻まれていよいよ前進不能に。
撤退し、天候が本格的に荒れはじめる予報の午後まで行動するかどうかをもう一度再検討する。
結局3000mの稜線上の避難小屋に停滞を決めたのだが、それが正解だった。
その後数時間もしないうちに稜線上は突風吹き荒れるホワイトアウトの世界と化した。
その激変ぶりに驚かされると同時に、興奮する。
すごい。これが厳冬期の3000mの世界か。
もしあの後前進していたら、今頃稜線で捕まって前後不覚に・・・


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いえ〜〜〜〜い!!


しかしこの低気圧が通過すれば日本列島はやがて冬型となり、寒冷前線の影響がなくなれば南アルプスは穏やかさを取り戻していくだろう。
しかし北アルプスは?
と思うと、身震いする。
この荒々しい姿を一目見たくて、私はここへ来たのかも知れない。


全体を通して、自分の力不足が気になった。
軽い荷で出来るはずのことが思う様に出来ない、歩荷力の低さ。
硬くクラストした斜面での基礎的なアイゼンワーク。
いい面も色々あった。
出来うる限りの軽量化。
食料計画や装備の使用、選択。
天候判断、チームワーク。


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突風でなんども足をとられた。


美しい冬山の懐に飛び込んで、避難小屋という守られた場所での疑似体験ではあったけれど、猛威を振るう山の姿を目の当たりに出来た。そして経験豊富なメンバーからも沢山の学びを得られた。
赤石までも到達出来ずピストン下山となってしまったが、この5日間はとても充実していた。


自分は本当にちっぽけだ。
滑稽にじたばたしているだけで、何にも出来てない。
それでもやっぱり山が好きで、それも冬の山が好きだ。
努力も足りないし、センスもないし、もう何年もやっている割になかなか高い所には行けそうもない。
それでもやっぱり諦められない。やめられない。
そう思える間は頑張って登り続けよう。
一番楽しい瞬間は、やっぱり山の上にあるんだなあ。

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で、さいごは(なぜか?)焚き火!
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戸台での出会い

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先週末、山登魂のイサミくんと戸台で登った。
予報通り土曜の午後から雨が降り始め、途中から強雨となった。
それが一晩中続くものだから、翌朝には戸台川が増水し濁流となった。


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少し雨が弱まるのを待って下山を開始したら、行きにあった渡渉点は水没。かわりに行きにはなかったはずの悪い渡渉点が幾度となく現れて行く手を阻む。
上流側の堰堤まで辿り着くとゴールも近いように思われたが、右岸に渡渉しなければならないのに、出来ない。
広い沢床はことごとく濁流に呑まれ、無傷で渡れそうなポイントは見当たらなかった。
左岸にもピンクテープがあったので行ってみようかとも思ったが、地形図にない道だし下流で渡渉できる保証はない。

意を決し、濁流に突入しての渡渉を試みる。しかし水深が腿まで来た段階で撤退。
足をとられて流される図が容易に想像できた。流れが速い!
イサミくんとスクラムを組んで、再度突入。しかしやはり撤退。あと少しで胸まで浸かるところだった。

未だ見ぬ憧れの上ノ廊下って、水量が多い時とかこんなかんじなのかな。
すでに冬山の下山ではなく、増水した戸台川の遡行を試みているかのような様相だ。
そんなこんなで、結局左岸を行くことにした。


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ここも印こそあれど結構な崖。そして行く手には第二の堰堤。そこを渡渉出来なければいよいよ閉じ込められることになるだろう。
そんな楽しいやら悲しいやらの不思議な心境でたぷんたぷんになったザングツをひきずり歩いていると、そこに思いがけない"出会い"が待っていた。


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とったどー!!



この先の堰堤を越えなんとか渡渉出来たので、この立派なおかしらと共に無事家へ帰ることができた。



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というわけで、それからというもの彼と毎日一緒にお風呂に入っている。



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それにしてもこんなに素晴らしい姿で残っているものを見たのは初めてだ。角が立派なのは言うまでもなく、繊細な顔面骨の細部に至るまで綺麗に残っている。


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顔面骨の扱いは私の専門である形成外科の生業とするところだ。人間と似た部分や人間でいうとどこに当たるのかよく分からないところまで、どんなに見ていても見飽きない。ここが眼窩下神経孔?茎状突起が美しい・・!鼻骨がやたら長いなぁ。などなど。
繊細なパーツが多いため、100均で細かいブラシをいくつか買ってきて丁寧に洗っていくと、その美しい解剖に見惚れてどんどん愛着が湧いてきた。


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ネットで骨格標本の作り方を検索すると、大抵は小動物が対象で、それも肉を溶かすところから始まっている。今回のケースは天然の掃除屋バクテリアが細部に至るまで綺麗に肉の処理をやってくれているので、私がすることは最後の仕上げだけ。多少骨折しているところもあるので最終的にはニスか何かで補強して仕上げようと思う。


名前はまだない。
とりあえず"やまのかみさま"ってことにしておく。
快くゆずって(?)くれたイサミくんにも感謝!
テーマ : 暮らし・生活
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プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属のゆるふわクライマー。

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