大切な人

私の大切な人は、そう多くない。
少人数に限られている。
私が大切に思う人は、大抵がまた私のことを大切に思ってくれている人だ。
何人かしか居ないけど、私にはそれだけで充分過ぎる。
そのたった何人かが、私のすべてだ。


私が中学生のとき、私を大切に思ってくれていた人がひとり亡くなった。
私はその人が大好きだった。
紫の自転車でよく家に遊びに来る人で、
美人で粋で優しい人だった。
私のおばあちゃん。


でもその人の闘病生活が長くなると、
病院通いで私も私の家族も疲れ果てた。
大好きな人だったはずなのに、
ふと気が付くと病院に行くことに疲れを感じている自分が居た。
一方でそんな自分がいることが恐ろしくてたまらなかった。
その罪悪感は今でも私の中にこびりついて消えない。
私が大切に思う数少ない人で、
私のことを本当に大切に思ってかわいがってくれた人に私がしたこと。
私の中にある冷たい部分の存在は、
私を恐怖で凍りつかせる。私は冷たい。そして弱い。


今またひとり、私を本当に大切に思ってくれていた人が
体の自由がきかなくなり、苦しい生活を強いられている。
この間病院に行った時は、私が呼んでも私のことは分からないようだった。
知的で私にはとても優しい人だったのに
今その面影は全く無い。
苦言しか吐かない困った人になってしまった。
その人に会いに行くと、誰もがストレスというお土産を持たされる。
そして私の中にまた、あの時と同じ感情が芽生え始めている。


本当にすごくお世話になった。
色々なことをしてもらったし、色々な話をした。
今のその人からは、そんな昔の出来事がもうずいぶん連想しにくい。
お世話になったから、と意識して思い出そうとする。
あるいは、思い出せていない。無理やり思い描いている。
そしてその義務感から顔を出しに行っている。
あんなにかわいがってもらったのに。
あの頃はこんな風になるなんて予想もしていなかった。


私が今大切に思っている数少ない人たち。
その人たちに対しても
いつか私は同じような感情を抱く時が来るのだろうか。
そして逆に大切な人から同じような感情を抱かれる時が
心無い私にもいつか訪れるのだろう。
人と人とのつながりなんて
その程度のものなのだろうか。
所詮弱く儚い心しか持っていないから。


もっと強い心がないと
何も守り抜くことが出来ない。
それも仕方のないことと、
諦めきれるのだろうか。
テーマ : 大学生日記
ジャンル : 日記

Tag:日々・つぶやき  Trackback:0 comment:4 

Comment

グルくん URL|感謝
#mQop/nM. Edit  2008.11.07 Fri00:45
人間て、自分勝手な生き物でしかないのかなぁって時に思います。
ほんと、強い人間にならなきゃ。
この日記で深く考えさせられる機会ができました。ありがとう。
人からしてもらってうれしかったこと、感謝の気持ちを忘れずに
それは何らかのかたちで
他の人にやってあげられる人間になりたいと思う今日この頃です。
縛師ダディ URL|
#- 2008.11.07 Fri01:30
人は誰でも 冷たい一面を持っているのだろう
そしてその一面が「理性」を生み「冷静」を生み「正しい判断」を生む。
熱い心が、優しい心が「情熱」を生み「悦び」を生み「幸せ」を生む。
車の両輪のように、それらは互い補い合い、車という人を前にと進ませている。
時として冷徹に、時として熱く燃え、良き医師になってください(^^)


claire URL|
#JalddpaA Edit  2008.11.07 Fri08:39
>グルくんさん
私のおばあちゃんが言っていた言葉を今でも覚えています。
「死んでから拝んでもらったってしょうがない」
その人が居なくなってしまうと、
温かかった思い出、大好きだった気持ちが溢れてきて
涙が止まらない。
そんな自分が嫌でした。
「そんな風に泣いてるけど、その人が生きていた間、生きて苦しんでいたとき、
お前はもっともっと手を差し伸べることができたんじゃないか?」
そう思い始めると悔やんでも悔やみきれません。
弱い心は人も自分も傷つける。
だから強くなりたいと思うと同時に、
そういった弱い面にも目をそむけず
向き合っていかなければいけないんだなあと思います。。

>ダディさま
そうですね。
だからこそその冷たい面もしっかりと受け入れて生きていかないといけないですね。
私の中に冷たい存在が居るのは確かだと思います。
そこからせめて目をそむけないようにしたいと思います。
おすぎ URL|そうそう
#- 2008.11.07 Fri16:08
そうなんだよね。
介護生活ってそれはもう無償の愛の塊なんだけど、
メーターが降り切れたところでなんか急に逆サイドにぱーんってはじけ飛ぶというか。

うちも別居してた祖父をうちに呼んで自宅で看取ったら、思い焦がれた3世代同居だったはずなのに、嫁姑&小姑戦争が勃発するわその愚痴が降りかかってくるわで祖父母の存在が鬱陶しくなって、結局何もしてあげられなかったなぁと今でも反省しています。
それを祖母・伯母や、娘に愚痴る母に当てつけるのも自分の弱さと狭さ。

うーん、「人と生きていくこと」についてはいつまでたっても修行の身ですわ。
最近思うことは「やらないで後悔するよりやって後悔しろ」、少しでもちっぺちゃんが、その人を大事に思う想いをうまく行動に移せるよう祈っております。
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2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属のゆるふわクライマー。

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