挑戦と敗北~甦ったマッターホルン

スポーツにおいても人生においても、
重要なのはメンタルだ。
私はメンタルが弱くて、そのせいでいつもここぞという時自分を甘やかしてしまう。
常々そんな自分が嫌だった。


先週末、日記に書いたとおりダメもとでベルジュエールに行った。
気温は思ったほど低くなくて奇跡的に岩も乾いていた。
つまりコンディションはとても良かった。
それなのにベルジュエールを落とすことは出来なかった。

1ピッチ目、pecomaがリードで登り始めた時から雪がちらついていた。
pecomaは前の週の小川山で「ジャックと豆の木」という5.10b/cのクラックルートをやり、2回フォールした経験からかクライミングに対し相当恐怖感を植え付けられてしまったようだった。
まるでちょっと前までの私のように、ボルトより先へ行くことを恐れる。
1ピッチ目はクリップしてはテンションの繰り返しで1時間半ほどかかった。
その後私がフォローで登るも、雪が本格的に降り始める。

これはさすがに・・
おりたほうがいいか。
錫状岳の「注文の多い料理店」をやったときを思わせるような(このときは雨に降られた)
修行的ピッチとなった。

とりあえず登り始めたので1ピッチ目終了点まで行き、pecomaと合流。
「これでは仕方ないね」と懸垂の準備をはじめた。
だが、準備をはじめるとすぐ、雪の勢いは弱まり始めた。

上を見上げると2,3ピッチ目の向こう側にモアイフェイスが見えた。空は明るくなりはじめ、雪はどんどん弱まっていく。気温は先週「調和の幻想」をトライしたときほど低くなく、手の感覚もある。そして岩を触ってみた。案の定、風にとばされる軽い粉雪は岩を濡らしてはいなかった。
岩は乾いている。空は晴れている。気温もそれほど低くない。

これは、コンディション良い、って言うんじゃないか?

pecomaの方を見た。
そんな周りの変化など目にも入らぬ様子で懸垂の準備をしている。
私はこの空気に呑まれたくなかった。
いつもならpecomaのほうが、「やっぱり大丈夫そうだから行こう」って言うだろう。
でも今日のpecomaは絶対言わないだろう。
私が言わなければ2人はこのまま山を降りることになるだろう。
私が言わなければ。


マッターホルンのときだってそうだ。
前日の嵐は確かに酷かったけど、それで二人とも心が折れていて
旅行のメインイベントであるというのに、ビバークは考慮せず
安全だけを優先した。
結果、何をしにいったのか分からないという空虚感が残ってしまった。
私が言わなければ。

pecomaは懸垂のセットを間違えてもう一度つけなおしている。
岩とpecomaを何度も見比べながら、言おう言おうと言い聞かせた。
そしてpecomaがじゃあ降りるね、と降りかけた時、私は言った。

「登ろうか」

この時間からでは上まで行けないことは明らかだけど、
そして今のpecomaの状態じゃ頂上までたどり着けなさそうなのは想像できるけど
こんなにコンディションが良いのにこのまま降りるのは間違ってる。


ていうかそれじゃただのヘタレじゃないか!!


結果的に、私は「登ろう」って言って良かったと思った。
5ピッチ目までしか行けなかったけど、
1ピッチ1ピッチの面白さ、岩の形状、ダイナミックさ、景色、どれをとっても素晴らしいルートだった。
とても楽しいクライミングが出来た。


来週は天気が良いみたいなのでリベンジするかも知れません。
誰になんと言われようと、私は純粋に、クライミングが好きです。
クライミングと山を、ただ純粋に楽しみたい。

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プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。

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